今日は「がんの痛みの緩和」について
最近、私と母が体験したことを
綴ってみたいと思います。
「痛みの緩和なんて、私には関係ないわ」
と感じる方もいらっしゃるかもしれませんし
「緩和ケア」という言葉が「死」や「終末期」
と結びついて、考えるのもつらい……という
方もいらっしゃると思います。
でも
再発したがんと向き合っておられる方や
そのご家族にとっては
必要な時に頼れる選択肢のひとつとして
知っておいて損はないと、今回改めて感じた
ので、シェアさせていただきますね。
母のこと
痛みのコントロールを
緩和ケアで受けているのは
84歳になる私の母です。
母は現在
老人ホームでひとり暮らしをしています。
ここに至るまでの経過を簡単に書くと
こんな流れです。
これまでの経過
- 70歳:左乳がん発症。術前ホルモン療法
手術、放射線治療を経て
アロマターゼ阻害剤による治療を開始。 - 78歳:皮膚に再発(内臓転移なし)。
イブランス+フェソロデックス開始。 - 79歳:皮膚症状が落ち着き、左乳房を全摘。
- 80歳:半年後、右乳房に再発
(リンパ管からの転移)。
イブランス+フェソロデックスを再開。 - 81歳:免疫力低下。
ベージニオ+フェソロデックスに変更するも
副作用(下痢、嘔吐、食欲不振)で治療中止。
この時点でも内臓転移なし。
⇒ 治療中断の際に主治医の勧めで
将来のために緩和ケアを事前予約。
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これ以降の母のケアは
経験豊富な訪問医さんが担当。
- 83歳:
カテーテルを用いた血管内治療に挑戦
(IGTクリニックにて)。
3回受けるも効果が見られず中止。
⇒ 治療には母も私も満足していました。
内臓転移もこの時点では確認されず。 - 83歳後半:痛みが出始め、
貼るタイプの痛み止め
「フェントステープ」を使い始める。
今回の経験について
私自身も乳がんを経験し
現在は、がんと向き合う方へのセラピーも
行っているので、母が私に見せてくれる
この一連の体験は、私自身にも大きな学び
になっています。
今回のテーマは「フェントステープ」という
貼るタイプの痛み止めについてです。
母は昨年の11月から使用を始め、
0.5mg → 1mg → 2mg → 4mg → 6mgと
徐々に増量していました。
ところが今年の4月頃
母はこんなことを言うようになったのです。
「頭の中にニョロニョロがいるみたいで
言葉が出てこないの。歩くのも難しくなって
目覚めると今が何時かわからないのよね……」
その様子を見た訪問看護師さんが
「これは薬が合っていないかも」と
判断され緩和ケアの病院に相談。
以前に事前予約をしていたこともあり
すぐに入院となりました。
入院時の驚きと経過
入院は突然のことだったので
私も動揺しました。
病棟では、足のひどいむくみや歩行困難
食欲低下、そして「頭ニョロニョロ」
などの症状から脳転移を疑われたようで
主治医の先生からは、入院初日に
「もしかしたら、残された時間は
“週単位”かもしれません」
と言われ、思わず息が止まるほど驚きました。
でも、CT検査の結果――
肺に小さな転移はあったものの
脳への転移はなし。
症状の原因は
「痛み止めが合っていなかったこと」
だと判明したのです。
フェントステープには
**「天井効果」**という特性があり
ある一定以上の量を使っても
効果が頭打ちになる一方、副作用だけが
強く出てしまうことがあるそうです。
(意識障害、呼吸抑制など)
緩和ケアの対応
入院後、フェントステープを少しずつ
減らしながらまずは注射薬へ変更。
注射で適切な薬の量を見積もったあと
飲み薬に切り替えていくという流れでした。
現在も波はあるものの、「頭ニョロニョロ」は
消えて、かなり落ち着いています。
YouTubeの
ドクタートッシュ先生の言葉
義父が亡くなる前後から
私は「緩和ケア」関連のYouTube
をよく見るようになったのですが……
このこと
ドクタートッシュ先生もおっしゃっていました!
「フェントステープは、経験上
4mg程度までしか使いません」
▼ 該当動画はこちら
意外に多いけど使っていたら要注意!
フェンタニル貼付剤(13:00)
(フェントステープ®, フェンタニルクエン酸塩1日用テープ®, デュロテップパッチ®)
まさに、母も6mgで副作用が
強く出ていたのです……。
感じたこと
今回の体験で私が強く感じたのは
**「やっぱり餅は餅屋」**ということ。
緩和ケアの専門家に相談できたことで
本当に救われました。
正直、3年前に緩和ケアの病院を
「事前予約」したときは
「緩和なんて・・・
今、このタイミングで必要かな?」
という気持ちもありましたが、
予約していたおかげで、すぐに受け入れて
もらえて本当に助かりました。
おわりに
今日は
私と母の個人的な体験にはなりますが、
どなたかのお役に立てばと思い
綴らせていただきました。
ちなみに
先ほど紹介したドクタートッシュ先生の
You-tubeとてもおすすめです。
必要にならないと、なかなか緩和ケアについて
知ろうと思えないかもしれませんが
義父、そして母の入院に際して
私にとって大きな助けになりました。
先生の本もオーディブルで聴いてみたのです
が、とても良かったので、次回ぜひ
ご紹介したいと思います。
それでは、また。
ニンジンを収穫せずにおいて置いたら
こんな花が咲きました
ピンクのボタンを押していただくと説明ページへとびます。
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