お医者さんにどんな風に相談すればいい?
クライアントさんのご相談や
闘病ブログをめぐっていると
医師とのコミュニケーションに
悩んでいる方多いなぁと
感じることがあります。
医師の使う専門用語や
独特の言い回しのニュアンスが
分からなかったり
お薬の副作用や
これからの治療の不安で
戸惑ってしまう方もおられますよね。
わからないことや不安は
そのままにせず
納得して治療を受けることが
大切と思います。
今日は、お医者さんとの
コミュニケーションに悩むあなたに![]()
役に立つ本を紹介しますね![]()

昔、私がお世話になった本で
MDアンダーソンキャンサーセンターの
腫瘍内科医 上野直人先生の著書です。
(注)MDアンダーソンは、
アメリカのテキサス州にある
がん医療の先端を担う世界的に有名な病院です。
2006年の本ですが、
今見ても役に立つなぁと感じます。
具体的な方法が書かれていて
実用的で良いです![]()
目次書きますので
ザーっと読んでみてください。
なにかピン!とくることが
あるかもしれません。
最高の医療を受けるための患者学:目次紹介
序章 真のチーム医療ががん患者を救う
自分の病気を説明できますか?
最高の治療をうけるには・・・・
アメリカの賢い患者さん
「チーム医療」とは何か
日本の病院システムの問題点
診療科の縄張り
カリスマ医師はいらない
”患者の声”が医療を変える
第1章 がんになっても、あせらない
ステップ1 あわてずに自分の病気を知ろう
がんには誤診の可能性がある
細胞診の細胞を保存する理由
自分の「病期」を確認する
「がんとともに生きる」
第2章 コミュニケーションは真剣勝負で
←この章おススメ
ステップ2 必要な情報を病院で集めるコツ
「知る責任」を果たしていますか?
診察室では真剣にメモをとる
テープレーコーダーの活用
助け合いの精神
重要な話は家族とともに聞く
コミュニケーションの腕を磨く
重い病気のときこそ時間をかけて
待合室は情報の宝庫
ステップ3 「自分のカルテ」を自分で作る
薬の名前を言えますか?
薬の用量を知る
薬を飲む理由を「知る権利」
自分の病歴を「記録する責任」
なぜ医師と患者に誤解が生ずるか
第三章 患者の質問力が医療者を育てる
←患者の心構え!
ステップ4 質問上手になる
医師に説明を求めるタイミング
面談前に質問リストを準備する
いい病院は患者が育てる
質問力を身につけるには
自己分析のすすめ
ステップ5 医師の話した内容を消化する
自分の病気を説明する練習
運命を切り開くのは自分自身
マスコミ情報にはすぐ飛びつかない
インターネットを闘病の武器に
時間をおいて考える
第四章 あなたにとって最高の医療とは
ステップ6 その治療は標準療法ですか
←知っておくと役にたちます
標準療法と最新治療のちがい
エビデンスについて
安心安全の標準治療
だれが標準治療を決定するのか
ステップ7 ベストの治療法を決断する
「治療法を知る」ために
地図上のルートを選ぶ
がん治療に「あてのない旅」はない
自分にとって最高の治療とは
治療のゴールを主治医と共有する
第五章 自分らしく生き抜くために
ステップ8 自分の希望を伝えましょう
困難な状況にも道はある
病気を知らない怖さ
医療者からゴールを引き出す
最悪の事態は健康な時に考える
自分の最優先事項は何か
ステップ9 恐れずにチャレンジしよう
医師と意見があわないとき
セカンドオピニオンを取る目的
「治療はこれしかない」には要注意
臨床試験への参加を考える
希望こそが最大の薬
附章:患者が見た全米ナンバーワンの病院
(内容は省略します)
![]()
役に立つことがたくさん書かれています。
続けて、私が大事だなと思う部分を
抜粋して紹介しますね。

あなたの求めている医療は?
(最高の医療を受ける患者学より抜粋)
![]()
自分が求めている医療について書くことも
良いことだと思います。
自分の希望を伝えることは、
参加型医療においては非常に重要です。
これは患者の【わがまま】とは違います。
自分にとって重要度の高いことは何か。
たとえば、次のような点があげられるかも
しれません。
【自分が求めている医療】
- 生活の質をいちばんに考えてほしい
- いまとできるだけ同じ生活を続けたい
- 少しでも長く生きたい
- つらい治療は避けたい
- いつも具体的に説明して欲しい
- 簡潔にわかりやすく説明して欲しい。
自分の求めている医療は
つねに同じというわけではなく、
病状などにより変化していくものです。
求めているものが変化したら
それを医師に伝えることが大切です。
![]()
(抜粋ここまで)
実は、上野先生はこの本を出版されてから
2度のがんを経験されており
左太ももの肉腫(悪性線維性組織球腫)
MDS(骨髄異形成症候群)
2021年現在も闘病中です。
上野先生自身も
自分の求める医療について
深く悩まれたご経験があります。
こちらの記事のインタビュー動画で
上野先生ご自身が語られています。
ご興味のある方はどうぞご覧ください。
なぜ医師と患者に誤解が生ずるか?
(最高の医療を受ける患者学より抜粋)
![]()
診療はまず、
患者さんが自分について語るところから
始まらなくてはいけません。
この部分こそが、医療者と患者の
コミュニケーションにあり方を変えていく
最初の手がかりなると僕は考えます。
自分で書くカルテには(←これは本を見てね)
気持ちを延々と綴ってあっては困ると
書きましたが、しかし一方で
患者さんだから語れる情報は
ひじょうに貴重であり重要です。
僕は、がん専門の大きな病院に
勤めていますので
最初の患者さんに合うときは
たいてい前の医療機関からの紹介状なり
情報提供があります。
しかし、治療を始めるうえで必要な
基本的な医療情報が
すべてわかっていたとしても
その患者さん自身から、
あらためて話を聞くようにしています。

患者さんが病気を語る時間は
とても大切です。
十分に時間をとる必要があります。
話を良く聞くと、
病院側のカルテの記載と患者さんの認識が
かなり違うことがあります。
記載には抗がん剤が効いていないと
書かれているのに、
患者さんは効いたと語る。
こういう食い違いは
大小さまざまありますが
患者さんからていねいに話をきくことで
その原因を探ることができます。
*抗がん剤が効いていないことを
否定したい気持ちが強くあるのか
*もしくは本当にそう信じているのか
*あるいは医療機関が説明していないのか・・
病院側と患者側の食い違いの原因は
わからないことも多いのですが、
何らかの誤解があるという事実に
医療関係者が気づくことは
よい医療への第一歩だと思います。
患者さんと医療者の間の
コミュニケーションのずれがあれば
それを埋めるところから
新しいコミュニケーションは始まります。
重大なまちがいではなくても、
ちょっとした感覚のずれ
互いの考え方の違いを知ることは
よい関係を築くために
非常に大切なことなのです。
![]()
日本の医療はアメリカより10年遅れている
なんてよく言われますけど・・
実は、この本を15年前に読んだ時、
ちょっとレベルが高いように感じたのです。
でも、今読み返してみると、
すごく役に立つと思いました。
もしよければ利用してみて下さいね。
信頼できない医師なら、離れた方が良い場合もある
ここまで読んでこられて
ご自分の主治医をイメージして
ええ~!
あの医師とは
コミュニケーションが難しい
という方もおられるかもしれません。
程度によりますが
そんな方は別の医師に変えてもらったり
転院するという手段もあると思います。
また別の記事でも綴っていきますね。
是非楽しみにしていてください。
追記
実は私ががんになった時
診断薬の研究所に勤務していたのですが
上司の助けで、この本の著者の上野先生と
国際電話で1時間ほど質問に答えてもらった
ことがあります。
国際電話で1時間もですよ!
患者に寄り添う姿勢をお持ちの先生です。
今思い返しても、
本当にありがたい体験でした。
あとね、どうでもいい情報ですが
上野先生はテクノポップの女性ユニットの
パフュームの大ファンらしいですよ![]()
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