前編では
「ありがとう」が言えないのは
がん治療中の心の自然な反応であり
あなたのせいではないとお話ししました。

こちらの記事です

がん治療中 感謝できないのは心が冷たいからじゃない[前編]

治療中の心は、生きることや
病気と向き合うことで
いっぱいいっぱい

感謝のスペースが狭くなるのは、
誰にでもあることなんです。

 

 

でも、どこかでこう思う瞬間も
あるかもしれません。

「本当は感謝したい」
「家族や友人と温かくつながりたい」と。

今回は、そんな気持ちの背景にある
「愛着の傷」に触れながら、
自分や周囲の人と少しずつ「ありがとう」で
つながる方法を考えていきます。

愛着の傷って、どんなもの?

 愛着とは、子どもの頃に親や
身近な人との関係を通じて築かれる

「自分は愛される価値がある」
「安心していい」

という心の土台です。

でも、誰もが完璧な愛着を
育めるわけではありません。

たとえば・・・

「親の期待に応えなきゃ」

「自分の気持ちを我慢して
 親を安心させなきゃ」

といった経験が積み重なると

心の奥に小さな傷が残ることがあります。

 

心理学では
これを「不安定な愛着パターン」と呼び、
大人になってからも、親しい人との関係で
「素直になれない」「感謝が難しい」
といった形で現れることがあります。

 

私の場合、乳がん治療中に

母の過度な心配や涙を見ると、
「私が弱ったら母を壊してしまう」
という思いが無意識に働いていました。

母が突発性難聴になったとき、
「私のつらさを話したら
 母が耐えられない」
と感じて、自分の気持ちを
飲み込んでしまったこともあります。

それは、子どもの頃から
「母を安心させなきゃ」
と感じていた記憶と
つながっていたのかもしれません。

がん治療のストレスが加わると
こうした愛着の傷が顔を出し、
母の優しさを受け取るのが
なぜかとても難しかったのです。

 

ハコミセラピーの視点:
どんな感情も大切なサイン

私が提供しているハコミセラピーでは
どんな感情も

「今、あなたが大切にしていること」

の表れだと考えます。

 

感謝できないとき、そこには

「自分の不安や痛みを

  わかってほしい」

という願いや

愛着の傷からくる
「安全に愛されたい」という深い欲求が
隠れているのかもしれません。

 

 

逆に
感謝されないと傷つく家族や友人の場合も

「あなたを失いたくない」
「力になりたい」

という愛を伝えようとしているのかも。

 

 

どちらの気持ちも、根っこでは

「つながりたい」

という思いで結ばれています。

 

もし今
「ありがとう」が言えなくて苦しんでいるなら、

それは愛着の傷が
「少し立ち止まって
自分の心を見てほしい」
あなたに教えてくれている
サインかもしれません

 

自分に優しく寄り添う
3つのステップ

 治療中の心は
触れたらこぼれそうな水面のように繊細。

愛着の傷と向き合うのも
大きな変化を求めるより
小さな気づきから始めるのがいい。
こんな小さなステップを試してみませんか?

ノートに一言だけ書いてみる

家族の言葉にモヤっとしたとき、
「今日、母の心配がちょっと重かった」とか
「看護師さんの笑顔に救われたけど
言葉にできなかった」と一言だけ書いてみる。

気持ちを外に出すことで、心が少し軽くなります。

自分に「いいよ」と声をかける

感謝できない自分を責める前に
「今はそれでいいよ。十分頑張ってるよ」
心の中で自分を抱きしめてあげてください。
治療中のあなたは
毎日の闘いを乗り越えているんです。

イラッとした瞬間を味わってみる

家族の優しさにイラっとしたとき
「あ、この気持ち、
子どもの頃にも感じたかも」
一瞬立ち止まって、ただその感覚を感じてみる。

無理に解決しなくていい。
ハコミセラピーのように
「今この瞬間」を大切にすることで
愛着の傷は少しずつ癒やされていきます。

 

 

支える人へのメッセージ

もし、あなたが
がん患者さんを支える家族や友人なら
「こんなにやってるのに、感謝されない」
と、傷ついたことがあるかもしれません。

そんなときは、こう考えてみてください。

彼らの「ありがとう」は
今、心の奥で眠っているだけ。

治療のつらさや
愛着の傷からくる複雑な気持ちが、
それを表面に出せなくしているだけなんです。

 

あるブログで、こんなコメントを見ました。
「夫が無口になったけど
そばにいるだけで安心するって
治療が落ち着いてから言ってくれた

 

あなたの支えは、きっと届いています。
今は見えなくても
いつかその温もりが彼らの心を癒します。

「無理しなくていいよ」
「ただそばにいるよ」

と伝えるだけで、
彼らの心の負担が少し減るかもしれません

 

締めくくり:
あなたはひとりじゃない

 感謝できない自分を責めているあなたも
感謝されないことに傷ついているあなたも
その気持ちは、誰かとつながりたいという
願いの裏返しなのかもしれません。

 

愛着の傷は
子どもの頃から長い時間をかけて
育ってきたもの。

それを一気に癒すのは難しいけれど
治療中の今
ほんの少し自分の心に目を向けるだけでも、
それは大きな一歩になります。

 

小さな一歩でいい。

「今日、ちょっとだけ
自分の気持ちを書き出してみようかな」

そんな気持ちになったら
それがあなたにとっての新しい始まりです。

あなたの心に、そっと寄り添えることを願って。
一緒に、ゆっくり進んでいきましょう

 

 

愛着のこと もっと知りたい!
簡単Q&A

Q1: 愛着の傷って、どんなものですか?

A: 愛着の傷は、子どもの頃に
親や身近な人との関係で感じた
「安心できない」
「自分の気持ちをわかってもらえない」
といった小さな傷のことです。

たとえば
「親をがっかりさせないように頑張らなきゃ」
と思った経験が積み重なると、
大人になってから親しい人に素直に甘えたり
感謝したりするのが難しくなることがあります。

がん治療中のストレスが大きいとき
こうした傷が心に響きやすくなるんです。

 

Q2: 家族の優しさにイラっとするのは
愛着の傷のせい?

A: そうかもしれません。

治療中は心がとても繊細で、家族の優しさを
受け取る余裕がないときがあります。

愛着の傷があると
「優しくされる=何か期待されている」と
無意識に感じて
プレッシャーや苛立ちにつながることが。

そんなときは
「あ、この気持ち、子どもの頃にもあったかも」
と気づくだけでも、心が少し軽くなりますよ。

 

Q3: 感謝できない自分は
冷たい人間なんでしょうか?

A: そんなことありません!

感謝できないと感じるときは、心が
「今は自分のことを守るので精一杯」
とサインを送っているだけ。

愛着の傷があると
「ありがとう」を言うのが怖く感じたり
罪悪感が強まったりすることがあります。

でも、それはあなたが冷たいからじゃなく
ただ今、心のスペースが
治療や不安でいっぱいだから。

自分に「今はそれでいいよ」と
言ってあげてくださいね。

 

Q4: 愛着の傷に
どうやって向き合えばいいですか?

A: 治療中はまず、大きな変化を求めるより
小さな気づきから始めるのがおすすめです。

たとえば、家族の言葉にモヤっとしたとき
ノートに「どんな気持ちになったか」
一言書いてみる。

あるいは
「この感覚、子どもの頃にもあったかな?」
と一瞬立ち止まって感じてみる。

無理に解決しようとしなくていいんです。

ハコミセラピーのように
「今この瞬間の気持ち」を大切にすることで
愛着の傷も少しずつ癒やされていきます。

最後まで読んで下さりありがとうございました💗


今年はエゴの木が満開でした!

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