以前からお届けしている
がんのイメージを
粘土で作るワークショップ

 

今日も新しい作品のご紹介です。

今日は怖いお父さんに翻弄されながらも
しっかり家族を支え生き抜いてこられた
聡明でやさしい Sさんの作品をご紹介します。

今回のワークショップも前回と同様に
3人の方一緒にZOOMでやりました。
3日間のワークショップです。

動画です。イイお話だと思います
是非ご覧くださいね。

私のがんは・・トゲトゲのドーパミン子(19:31)

 

ワークショップ1日目

マインドフルネスの誘導からスタートしました

もし良かったら最初に
青空と草原を思い浮かべてみてください。

気持ちのよい、青い青い空
そして、風が吹き渡る心地の良い草原

深刻さからは
ちょーーっとはなれて
自由さや遊び心に
繋がってみてください。

もし、この気持ちよい青空の下の草原に
あなたとあなたのがんが
一緒にいるとしたら・・・

あなたのがんはどんな姿をして
あなたの前に表れてくれるでしょうか?

 

 

Sさんの中で湧いてきたイメージは
全身がトゲトゲした
怖い顔の人(?でした。

名前は【ドーパミン子】

 

クッキリとした黒い眉に
赤い目が印象的です。
目が黒く縁どられて歌舞伎みたいです。

身体のまわりから
トゲトゲがたくさん出ています。
トゲトゲの色は黒と紫

そして、よーくみると
お腹のところにもう1人いるんです!
色は目立たない薄いグレーで
悲しそうに泣いているんですよね。

 

ドーパミン子は怒っているし
イライラしてるけど
すごく悲しんでもいます。

Sさんにとってドーパミン子は
自分の中に悪い心があって
固まったものだと感じていたそうです。

 

たくさんのごちゃごちゃした
しがらみがありました。
本当にかわいそうでした。

Sさんは自分が
そこまで追い詰められているとは
思っていなかったそうです。

 

ドーパミン子はSさんに
辛さを教えてくれた存在。

Sさんをしがらみから
切り離してくれました。

 

それまでのSさんは
背負わなくていいことを
いっぱい背負っていたけれど

ドーパミン子のおかげで
ゆっくり休むことができたんです。

そして、さらに
がんを切り離したら
楽しくなったんだそうです。

 

最後にSさんは
こんな風におっしゃっていました。

がんの時や がんになる前は
たくさん背負ってがんじがらめになって

『あれもやらなくちゃっ!』
なっていたけど

楽な生き方を知ることができた

 

良かったです

 

そしてまた、Sさんは
こんな印象的なこともおっしゃっていました。

困っているのだけど
おもしろく見せてた

Sさんはずっと
怖いお父さんに翻弄されながらも

おもしろく見せること

おもしろいことだ
大したことないことだ と捉えることで

大変な日々を乗り越えてこられたんだと
感じました。人生を生き抜く知恵ですよね。

 

 

この後

がんになった頃のわたしという
テーマでお絵描きしていただきました。

Sさんの作品はこちらです。

 

なんと!なんと!

手が6本も生えています!
めちゃめちゃ忙しそうです。

洗濯や、料理、買い物、お弁当作り
仕事のかばんに たくさんの書類
手だけでは足りなくて 足にも書類が!

Sさんは、ご自身のお仕事に加えて
お父さんやお母さんの介護
親族のお世話など
本当に忙しく動き回っておられたんです。

 

ワークショップの後、
この絵をご覧になった妹さんが

『これじゃあ千手観音だねー』

おっしゃったそうです。

なるほど!いや、本当に
絵から大変な奮闘がにじみ出ています。

 

ワークショップ1日目はここまでです。

 

 

しばらく日をあけて

ワークショップ2日目

いよいよ粘土細工です。

さて
ドーパミン子のトゲトゲ
どうやって作りましょう?

Sさんは悩まれたそうです。

 

何か、他の素材を使ってみる?
でも、なんか違和感・・

ということで、Sさんは
トゲドゲも粘土で作ることにしました。

そして!できあがった作品がこちら!

ジャーン

 

おおー!
ますますカブキ感!

身体の周りのトゲトゲは
細くした粘土を折りたたんで表現されています。
顔は怖いですが・・・トゲトゲが美しいです。

 

この作品を作られたあと
Sさんはこんな風におっしゃっていました。

怒りだと思っていたけど 悲しみなんだ・・
ドーパミンが出ないとやれなかった。

トゲトゲして
あれもこれもやろうとしていた。

 

そこで、興味が湧いて
こんな風にたずねてみました。

 やりたいことなの?

 それとも・・
 やらなきゃいけないことなの?

 

するとSさんの答えは、こうでした。

やりたいことなら、色が変わる。
その色はオレンジ色

これまで冷え切っていた

そして、オレンジ色に変わるだけで
お花になる

 

本当にそうですね
もしやりたいことのオレンジ色なら
綺麗なお花みたいな形なんですよね。

 

また、Sさんは後から
こんなこともおっしゃっていました。

ドーパミン子のトゲトゲを
粘土で作ったことで
トゲトゲはたくさんの手
(千手観音)にも見えて

たくさんの手は
たくさんの事に反応している神経
ピリピリした神経を表していたんだなー
と思いました

深い深い気づきだと思います。

ワークショップ2日目はここまでです。

 

またしばらく日をあけて・・
いよいよ

ワークショップ3日目

最後のまとめの回です。

この日
一緒にワークしたメンバーさんの
お父様が亡くなられたことや
その後から粘土作品の表情が嬉しそうに
変化したというシェアがあったんです。

そして、なんと!
Sさんも半年ほど前に
同じような体験があったんですよね。

Sさんは、お父様が亡くなられた時

『もうあんな風に忙しく
 お父さんに仕えなくてもいい』

自由な解放感を感じられたんです。

こういった
親の死にまつわる嬉しさや解放感って
よっぽどのことです。

詳しいことを知らないと
不謹慎に聞こえるかもしれません。

ですが・・・
実は毒親育ちのアダルトチルドレンさん
にはよくあることなんです。

 

Sさんにも
お父さまにまつわる大変な思い出や
しがらみがたくさんありました。

それはSさんの人生に
大きく影響を与えてきたんですよね。

 

そしてね、面白いことに
前回のワークショップの後に
粘土のドーパミン子を見たご主人が

おじじ(お爺)とおばば(お婆)だ』

と、おっしゃったんだそうです。

そう・・・
赤い目の怖い顔は Sさんのお父さん

そして
密かに泣いている顔はお母さん

 

Sさんは
ご主人からドーパミン子を
『おじじとおばば』と言われてから

自分のがんだと思っていたのに
『父親と母親』にしか見えなくなった

と、困った顔でおっしゃられていました。

そして、この後
作品を作った後の私の心というテーマで
お絵描きをしていただきました。

Sさんの作品はこちら

 

まるーくやさしい作品です。
ドーパミン子のトゲトゲとは正反対。

たくさんあったトゲトゲは
よつばのクローバーになりました。

 

たくさんはいらない
4つでいい

Sさんの言葉が印象的でした。

 

そして
泣いていたお母さんは
オレンジ色のみかんみたいになりました。

それから
お父さんの赤い目はスイカになりました。

ドーパミン子は黒い縁取りに赤い目でしたが
スイカは逆
赤いみずみずしい実の中に
黒いつぶつぶの種が入っているんです。

 

そう!この作品は
ドーパミン子が3つに別れたものです。

本来のあるべき姿に・・・

 

これまでは
Sさんの周りに
【あれもこれもやらなくちゃ!】
トゲトゲが取り囲んていたけれど

おとうさんはスイカになり
お母さんはみかんになり
Sさんはよつばのクローバーになりました。

良かった~。嬉しいですね

この絵を描いている時のSさんは
手をグルグル回しながら
気持ちよさそうだったのを覚えています。

 

次に描いていただいた作品のテーマは
【今の自分に必要なこと】
マインドフルネスで深く内面に繋がり
描いていただきました。

Sさんの作品はこちらです。

子供時代のSさんが
石の上に座ってマインドフルネスしています。

耳に意識を集中していて
自然の音を味わっているそうです。

Sさんが座っている石は
・・・あのドーパミン子

Sさんの周りを取り囲んでいた
あのトゲトゲは
もうSさんを支配してはいません。

Sさんはその上に
落ち着いて座っているんです。

 

そして
この絵をみたメンバーさんが
こんな感想をおっしゃたんです。

ドーパミン子は土台なんですね・・
ドーパミン子あってのSさんなんだ。

この言葉は
Sさんの心に深く深く響きました。

Sさんはほとんど流したことのない
涙を流しておられました。

 

Sさんが
心地よく瞑想している空は
昼間であり
夜空でもあります。

 

そうそう
このワークショップで
ビックリしたことがあります。

参加した3人が全員
この最後の作品【今の自分に必要なこと】
中に星空を描かれたんですよね!

本当に
無意識の繋がりには驚かされるばかりです。

ワークショップの最後にSさんが

夜空を見るたびに
このメンバーのことを
思い出すんだろうなぁ

とおっしゃったことが
私の胸に暖かく響きました

 

エントリーNo.6

【がんの名前】:ドーパミン子

【作った人】: Sさん
【年齢】: 50代
【性別】: 女性
【がんの種類】: 乳がん
【がんになってからの期間】: 6年8か月
【治療の状態】: 経過観察

 

【がんになった頃のあなたは
   どんな感じでしたか?】:

死ぬんだと思って
絶望感と恐怖で眠れなかった。

 

【あなたのがんのメッセージは?】:

忙しすぎて、私ばっかりやって
やってもやっても終わらない。

癌になって
もうやらなくてもいいんだよ。
病気になったんだから
ゆっくり休んでいて当たり前

 

【ご感想】:

自分の癌の姿だと思っていたのが
父が怒っている顔と
父に怒鳴られて小さくなっている
母の顔だったのが、びっくりでした。

私は、自分の気持ちより
父が怒っていることに年中オドオドして
いつも不幸な母を
なんとか幸せな気持ちにしたいと
思っていました

 

そして、最後の会で絵をかいたら
母がみかんみたいな丸になって
父の尖った赤い目がスイカ🍉になって
自分はよつばの🍀クローバーになりました。

一緒にセッションしていた方に
3つに分かれて良かったですね
と言われて

なるほど
それぞれに独立したんだなー
と思いました。

 

Sさん
本当にありがとうございました~!

 

トゲトゲのドーパミン子から
まぁるいよつばのクローバーへ

なにかひとつ
一段落した感覚を受け取っています。

本当に良かったですね。
私も嬉しいです

 

それでは~

また新しい作品が生まれたら
ご紹介していきますね。
お楽しみに~

今日もありがとうございました

 

このワークショップに興味がわいたら
開催情報はこちら。チェックしてみてね。

がんのイメージを粘土でつくるWS

先日我が家に表れたヤモリくん

 

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