がんを経験した私の心の旅【第5話-3】アートセラピーと心の旅:癒しと再生―心が休む場所へ

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高くそびえ立つ塔をあとにして
私は、心の世界の中を歩き続けていました。

恐れと向き合い
その正体を垣間見たあと――

私の心は、次の場所へと
向かっていったのです。

こんもりした森――心が、ようやく休めた場所

塔を出た私の前に現れたのは
こんもりとした森でした。

たくさんの木々が集まって
まるで一本の大きな木のようにも見える
不思議な森。


イメージを元に作った私の作品です

今あらためて振り返ると、
どこか“脳みそ”のような形にも見えます。

森は
休息や再生の象徴であると同時に
混沌を意味する場所でもあります。

それまでの私は、
「前に進むこと」
「頑張ること」ばかりに必死で
休むことを、ずっと後回しにしてきました。

でも、この森にたどり着いて――
私は、ようやく立ち止まり
心を休ませることができたのです。

 

赤いキノコ――怒りが、手のひらサイズになった瞬間

森の中でひと息ついていると
ふと、赤いキノコが目に留まりました。

こちらは森の断面図
キノコは右側の下にあります。

アップ

なぜか惹きつけられるように近づき
私はそれを、そっとポケットに入れました。

そのとき
白い箱の中で見た
あの大きな「赤い三角の積み木」
を思い出したのです。

 

キノコも、積み木も、
どちらも赤い三角形。

 

けれど――
今度のキノコは
手のひらにのるほど小さい。

 

あのときは怖くて触れなかった
“大きな怒り”。

それが今は、
こうして手のひらに収まるほど、
癒され、小さくなってきている。

そんなことを象徴していたのかもしれません。

 

アラビアの大きな器――子宮のイメージと、深い記憶

次に私が訪れたのは、
一軒のアラビア風の建物でした。

中へ入ると
部屋いっぱいほどもある
大きな、ピンク色の器が置かれていました。

部屋の隅にあった踏み台に乗り、
そっと中をのぞいてみると――
器の中には、
水がたっぷりと満たされていました。

このイメージ、
みなさんなら、何を思い浮かべますか?

 

……そう。

私は、これは
「子宮」のイメージだと思うんです。

私の父と母は、私が生まれる前
千夜一夜物語(アラビアンナイト)
を二人で読んでいたそうです。

愛や欲望が交錯する物語の世界。
その記憶の断片が
アラビア風の器というかたちで
心に浮かんだのかもしれません。

 

後から気づいたのですが・・

私には、生まれてこなかった兄がいます。

当時住んでいたアパートの規則で
母は子どもを産むことができず
泣く泣く諦めたそうです。

幼い頃の私は、母に連れられて、
大阪・四天王寺へ水子供養に
よく行っていました。

今思うと――
あのとき目にしていた供養の器と
とてもよく似ているのです。

 

ピンクのハイヒール――女性性を取り戻すということ

このピンク色の器も
セラピーのセッションの中で
自然に浮かんできたイメージでした。

私はふと
ポケットに入れた
赤いキノコのことを思い出し
それをセラピストさんに話しました。

 

すると、セラピストさんが
こんな風に言ったのです。

「そのキノコを、
この器の中に入れてみたらどうなる?」

私は、キノコを取り出し、
器の中へ入れました。

すると――
キノコは、シューッと泡を立てながら、
ゆっくりと沈んでいきました。

そして
器の底から、
何かが浮かび上がってきたのです。

 

それは
ピンク色の「片方だけのハイヒール」でした。


粘土で作りました

私は、そのハイヒールを拾い上げ
キノコの代わりに、ポケットへ入れました。

 

失われていたものとの再会

乳がんという病気は、
「女性性の否定」と関係があると
言われることがあります。

ハイヒール――
それは、まさに女性性の象徴。

 

私は長い間
「役に立たなければいけない」
「頑張らなければいけない」
そう思って生きてきました。

どこかで、
“女性であること”を
不利に感じていたのかもしれません。

父が、
「夢に男の子が出てきた。
あれは、おろした子どもだと思う」
と話していたこともあり

無意識のうちに
「男の子でいなければ」
と思っていた部分もあったのかもしれません。

 

けれど――

怒りの象徴だった
“赤い三角”を、

“子宮”の象徴である
ピンクの器に入れたとき。

そこから生まれてきたのは、
ピンクのハイヒールだった。

それはきっと
私が「女性性を取り戻した」ことの
象徴だったのだと思います。

そして次は、
ハコミセラピーとの出会い
私の心を静かに変えていく体験へと続きます。

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