前回の記事では
こちらの本の内容を紹介しました。
信念が細胞を変え
人生を変える!
この本の中にね
ちょっと面白い研究が載っていたので
今日は紹介させていただきますね。
環境が遺伝子を変えることを
明らかにした研究
前回の記事でね
環境が遺伝子を変えるというお話を
書きました。
今日紹介するのは、まさにそんなお話。
というか
環境が遺伝子を変えるという事実を
明らかにした研究のお話です。
それは2003年Mol Cell Biol.
(分子細胞生物学)というジャーナルに
発表されました。
原文はこちら
Transposable Elements:
Targets for Early Nutritional Effects on
Epigenetic Gene Regulation
Robert A. Waterland and
Randy L. Jirtle
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC165709/
まずね
【アグーチ遺伝子】というものがあります。
これは猫の縞模様にも関連している
遺伝子なんだそうですが・・
元々はアグーチという名前の天竺ネズミに
由来していて、写真のように体毛を1本とって
見てみると、色がまだらになっているネズミです。
図はお借りしました。
写真右下にあるように、1本の毛に
橙色(フェオメラニン)と黒(ユーメラニン)
があります。面白いですよね。
でね
このアグーチ遺伝子にね
【ある異常】が入ったマウスがいて
それは体色が黄色になるそうです。
しかもそのマウスは
極度に肥満するそうです。
肥満の結果、このマウスはなんと
心血管障害や糖尿病や、がんにも
かかりやすいそうです。
マウスの食事療法?
で、面白いのはここからです
この研究ではね
この黄色の太った雌マウスを
妊娠させてサプリメントを与えて
その影響をみることにしました。
妊娠した雌を選んだのは
母親の環境が子どもの形質に
影響を与えるか調べるため。
そして与えたサプリメントは
健康食品として市販されているもの。
葉酸やビタミンB12、ベタイン、コリンなどが
含まれているものが選ばれました。
なぜかというとこれらには
メチル基が多く含まれているからです。
メチル基ってこれです。
化学で習った人もおられますよね
実は遺伝子のスイッチに
メチル基が関連している例が多く
知られています。
簡単に説明してみますね
難しいのはイヤだという方は
スルっと読み飛ばしていただいても
内容は理解していただけると思います。
下の図を見てみてください。
遺伝子の前の部分がスイッチになっています。
メチル基がないときは
DNAを翻訳するタンパク質が
くっついて転写スイッチはオンになります。
その結果、遺伝子が翻訳されて
タンパク質が作られます。
ところがメチル基があると・・・
メチル基が邪魔になって
DNAを翻訳するタンパク質がくっつけなく
なるんです。
その結果、遺伝子は翻訳されず
タンパク質も作られない。
ちょっと難しく感じるかもしれませんが
簡単にいうと
メチル基がたくさんあると
遺伝子の翻訳はストップする
ということ。
でね
この実験の結果がどうなったというと・・
メチル基をたくさん含んだ
サプリメントを食べた
お母さんネズミから産まれた子供は
↓ ↓ ↓
体色は茶色でサイズは標準になった
サプリメントを与えなかった
お母さんネズミから産まれた子供は
↓ ↓ ↓
お母さんねずみと同じで
体色は黄色で茶色の子ねずみよりも
よく食べてサイズは茶色の二倍になった
(写真:Waterland and Jirtle)
これ、すごくないですか??
同じ遺伝子でもこんなに違う。
ブルース・リプトンさんによると
写真ではわからないけど
黄色の太ったマウスは
糖尿病を発症しているそうです。
でも、同じ遺伝子でも相方のマウスは
スリムで健康なのです。
がんとメチル化
ここまで
環境が遺伝子に影響を与えることや
その結果、健康状態まで変化するという
実験データを紹介しました。
で、もしかしてここで
じゃあ
メチル基の入ったサプリメントを
摂取したら私のがんが良くなるの?
と思った方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待って!
残念ながらそう単純ではなくて・・・
後ろの遺伝子の問題なんですよね。
上で紹介した実験は
問題を引き起こすアグーチ遺伝子を
メチル基でストップさせたんですよね。
遺伝子には、問題になるものもあれば
役に立ってくれるものもあります。
だから、メチル基をたくさん摂取して
遺伝子を止めればいいという単純な
話ではないのです。
それで実はね
がん治療の分野でも
メチル基については研究が進んでいます。
人のがん治療の分野では
「がんを抑える遺伝子」をちゃんと持って
いるけど、働かなくなっている人に
「がんを抑える遺伝子」の
スイッチをオンに戻すことによって
がんを治療しようという薬
が開発されているそうです。
NHKのこちらの記事に紹介されています
がんの最新治療!DNAメチル化酵素をコントロールしてがんを抑える | NHK健康チャンネル
現在は実用化されて
- 急性骨髄性白血病
- 骨髄異形成症候群
などに使われているようです。
わたしたちができること
ここまでちょっと難しい内容を
私なりに頑張ってお届けしてみたのですが
読んで下さってありがとうございます!
いかがだったでしょうか?
でね、こういうミクロの世界の話にふれると
じゃあ私は
メチル基を増やした方がいいの?
メチル基を減らした方がいいの?
なんて細かいところに視点が行ってしまい
そうになりますが・・
私たちの身体の中で
DNAやタンパク質がどうなっているのか
完全に調べて把握することって
無理なんですよね
身体の中には、
DNAやタンパク質などの機能をもった
分子が山ほどあって、精妙に関連しながら
私たちの身体はなりたっています。
だから、こういうお話は
メチル基をどうしよう~という
細かいお話として捉えるんじゃなく
私たちは変化できる
可能性がある
食べ物や心の状態などの
環境によって
遺伝子はオン・オフできる
そんな風にざっくり
捉えていただけたらと思います。
私たちの心身が健やかでいるために
よい食事や
清々しい心の状態って
とても大事だと思うのです
清々しい心の状態を保つために
マインドフルネスのセラピーでサポート
させていただいています。
あなたのお力になれたら嬉しいです
今日もありがとうございました。
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