死ぬまで生き切る
船戸先生のがん患者ツアーの物語

※この記事には「がん」や
「死」にまつわる表現が含まれます。

治療中の方や、心が不安定なときは
無理をせず、お好きなタイミングでお読みくださいね。

先日、義理の父が
旅立ったばかりだというのに
今度は実母(84のおばあちゃんです)が
緩和ケアに入院しました。

花咲乳がんの痛み止めの
麻薬の調整のための入院です。
突然だったので、バタバタした~

ここ1ヵ月以上、お見舞いのため
緩和ケアの病室に何度も足を運んでいます。
そして、その雰囲気を肌で感じると
今日のお話はリアルに心に響いてきます。

もし興味があればご覧くださいね

さて、先日読んだこの本

 

前回は「本当の幸せとは?というテーマで
記事をお届けしました。

【おススメ本】「死」が教えてくれた 幸せの本質ー 病気を通じて見つける幸せ

 

今回のテーマは
「楽しんで生き切る」

これは
「命と向き合う医療」の話でありながら
同時に「いのちを燃やして生きること」
の物語です。

 

 

「病気が治ったら、何がしたい?」

 船戸先生は、患者さんに
こんな質問を投げかけるそうです。

「病気が治ったら、何がしたい?」

その答えは人それぞれ。

でも、なんと6割近い方が
「旅行に行きたい」と答える
そうです。

 

 

食べることが難しくなり
体を自由に動かすことができなくなった
方たちが、口々にそう言うのだといいます。

その願いを叶えるために
船戸先生は患者さんとそのご家族
医師や看護師とチームを組み
実際にツアーを企画したのです。

 

「狂ってる」と言われながらも

このツアー、はじめは
多くの医療関係者や一部の患者さんから
強く反対されたそうです。

「末期がんの人を連れて旅行に行くなんて
  無謀すぎる」

「何かあったらどうするんだ?」

「頭がおかしいんじゃないか」

そんな声もあったそうです。

 

けれど船戸先生は
信念を持ってこう語ります。

「せっかくこの世に生を受けたのだから
やりたいことをやるべきだと思うのです。
どれだけ過保護に生きても人は必ず死にます。

死なないことに全神経を注いでいたら
生きることを忘れてしまう
ではないですか?」

 

生きる力は、誰の中にもある

このツアーには
本来なら病院のベッドで
神妙にしているはずの方々
が参加されました。

 

たとえば、屋久島ツアー。
そこでは車椅子で参加した患者さんが
なんと3キロのトレッキングコースを
自分の足でゆっくりと歩き切った
そうです。

どこにそんな力が
眠っていたのか?

誰もが驚き、喜び、歌い、語らい
笑い合ったといいます。

 

夜遅くまで人生や闘病の話を語り合い
時にはお酒を飲みながら肩を組み
「生きているって、素晴らしいね」
と分かち合う時間。

そこには、病院では出会えない
“いのちの輝き”があったのだと思います。

 

「同志」と出会う旅

 船戸先生は
がんは孤独との戦いだと語っています。

特に夜、病室が静かになると
不安や孤独が心に忍び寄ってくる。

先生ご自身もがんを経験されたことで
そのつらさを痛いほど理解されている
そうです。

 

ツアーの目的のひとつは
そんな孤独を癒す同志”との出会い

病気や死と向き合う仲間たちと
共に語り、涙し、そして笑い合う時間が、
「ひとりじゃない」
心から感じさせてくれるのだと思います。

 

 

飛行機の中で、旅立った命

 ツアーの中には、
忘れられない出来事もありました。

中国・桂林への気功ツアー。
その飛行機の中で、到着直前に
ひとりの患者さんが旅立たれたそうです。

とても心を動かされるエピソードです。

詳細はぜひ本で
読んでいただきたいのですが
船戸先生はこの出来事を
「失敗」とは捉えていません。

 

「死」から目をそらさず
生を見つめる

 先生はこう語っています。

死を“忌むべきもの”として遠ざけるなら
ツアーは即中止すべきです。

でも私は、
死を避けられないものとして
受け入れた上で
いかに“自分らしく生き切るか”
大切だと考えています

人の死亡率は100%です。

誰もが必ず死を迎えます。
だからこそ、死から目を背けるのではなく
その瞬間までどう生き切るかを考えたい。

 

「今」を生きるということ

 船戸先生の言葉は、
静かに、でも確かな力で胸に届きます。

「今この瞬間を、自分らしく生きる」

私たちは、つい
「いつかやろう」
「落ち着いたらやろう」と
本当にやりたいことを
後回しにしてしまいがちです。

でも、病を抱えた方たちが見せてくれた
「いのちの輝き」
私たちにも問いかけてきます。

「あなたなら
  どんなふうに生きたいですか?」

「どんな喜びを、
  今、感じたいですか?」

この本には、
そんな問いを立ち止まって考える時間と、
心を温めてくれる優しい光が詰まっていました。

どうか、大切な人と一緒に
読んでみてください。
そして、自分自身にも
優しく語りかけてみてください。

「どんな喜びを
  今、感じたい?」

 

今日も最後まで読んでくださって
ありがとうございました。

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