※この記事には
「死」にまつわる表現が含まれます。
治療中の方や、心が不安定なときは無理をせず
お好きなタイミングでお読みくださいね。

今回のブログでは

「死」が教えてくれた
幸せの本質
(船戸崇史 著)

という本から
特に心に残ったエピソードを2つご紹介します。

1つ目は「本当の幸せとは?」 

2つ目は「楽しんで生き切る」
ことについて。

 2回に分けてお届けします。


がんという病気や
人生の折り返し地点で「生き方」を
見つめ直している方へ。

何かひとつでも
心に響くものがありますように。

先日、大好きな義父を見送りました。
94歳の大往生でした。

生と死、そして命の在り方について
深く学ばせていただく時間でもありました。

 そんな中で手に取ったのがこの本です。

『「死」が教えてくれた 幸せの本質』
船戸崇史 著

 

読んでよかった、と心から思いました。
私の奥深くを揺さぶるような
大切な気づきをもらえた本です。

 この本には、
病気や死と向き合うことを通じて
「本当の幸せとは何か」を見つめ直す

大切なヒントが詰まっていました。

病気は「生き方を見直して」
と語りかけてくる

 本の中で、船戸先生はこう語っています。


がんは手術で切ったら終わりじゃない。
抗がん剤で叩いたら終わりじゃない。
それらはあくまで急場をしのぐ手段です。

でも、根本的な解決にはなっていない。
がんに限らず、そもそも病気というものは
本来の生き方から外れているよ〜
という呼びかけだと思うのです。

数ある病気の中でも、がんは特に
「今のままでは残り時間がないよ」
と静かに警鐘を鳴らしてくれている。


自分の死と直面できる
とても有意義な病気なんじゃないか
そんなふうに思うのです。



この言葉を読んで
「そうだよね」と深くうなずきました。


病気は「敵」ではなく
ときに「生き方を見直して」と
静かに語りかけてくれる存在
なのかもしれません。


日々の忙しさに追われ
本当の望みや
価値観から離れてしまっているとき

身体はそのサインを届けてくれて
いるのでしょう。

 

Iさんの物語
「病気になって、やっと
笑えるようになった」

 印象的だった一つ目のエピソードは
子宮平滑筋肉腫を患った
I
さんの物語です。

Iさんは、いわゆる「仕事の鬼」

休みも取らず
疲れきった身体をかえりみることなく
過去の評価を守るために「NO」と言えず
ひたすら働き続けてきた方でした。


そんなIさんが病気と向き合い
船戸先生の言葉を受けて

「がんの言い分に耳を傾けて」

みた時、こう語ったそうです。

「仕事仕事で
ただひたすら突き進んできました。
目的がない人生なんて価値がないと
思って、人との関係も切り捨てて。

 余裕も潤いもない人生を生きてる……

  それであなたは後悔しないの?
   がんはそう言っています……


さらにIさんは

「病気になれば円満に
  仕事を辞められる」

と心のどこかで願っていたことも
打ち明けます。

本当に苦しかったのだと思います。

 

病状が進み
船戸先生が往診に訪れるころ
I
さんは足を引きずり、顔色は青く
お腹は大きく膨らんでいました。

それでも、
屈託のない笑顔でこう言ったそうです。

「何とも不自由ですけど
毎日が楽しくて仕方ないんです……


先生が驚いて
「何が楽しいの?」と尋ねると

「わからないんですが、目に映る
すべてのものが愛おしいんです……

 

 

その瞬間、私は思いました。

ああ、これは
マインドフルネスだ……

Iさんは、今この瞬間のいのちに
心を開き、味わって生きている。

それは、言葉で教えられて
できるものではありません。

心の深いところで
日々のすべてを慈しむように
生きている姿でした。

「この身このまま、極楽よ」

実は、船戸先生のお母様も
白血病で亡くなられる前
同じようにマインドフルな感覚を
持たれていたそうです。

 お母さまの車椅子に乗せて
病院の周りを一緒に散歩すると

「まあ、なんてきれいな空気でしょう」

「まぁ、なんて綺麗なの」

とスミレを見て微笑む。


そんなお母様が、病室で
こんな短歌をアレンジして書かれました。


今朝もまた
覚めて 目が見え 手が動く
ああ 極楽よ この身 このまま

 (もとは京大総長・平澤興氏の詩を
アレンジされたものだそうです)



幸せって、なんだろう?

Iさんも、船戸先生のお母様も
自由に動くことも食べることのできない
制限された日々の中で
「楽しい」「ありがたい」
と笑っておられました。

幸せとは
いったいなんなんでしょう?

 

幸せとは
外側に何かを求めることではなく
自分自身とつながりや
目の前のいのちを慈しむこと
なのかもしれません。


Iさんも
かつて仕事に没頭していたときは
それなりに幸せだったと思います。

だけど、大切なことを切り捨てて
余裕も潤いもない人生を送っていた
と気づいたとき

自分自身とのつながりや
目の前のいのちを慈しむことを
思い出されたのかもしれません。

 

自分とのつながりを取り戻す

自分自身とのつながりを失わず
優しい眼差しで周りと関わること。

それが
私たちの「健やかさ」「幸せ」
つながっていくのではないかと
私は思っています。

 

 私自身も、忙しくなると
つい健やかさから遠ざかってしまいます。

でも、だからこそ
立ち止まって思い出したい。


病気は、ただ苦しみをもたらすものではなく

「本当に大切なもの」

思い出させてくれる存在かもしれません。

「目に映るすべてのものが愛おしい」 

Iさんのこの言葉、とても胸に響きました。

 私もこれからも、そんな想いを大切に
日々を丁寧に味わいながら
生きていきたいと思います。

今日もありがとうございました

今年はたくさん咲いてくれたバラ

 

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